円通寺の金仏様

円通寺の境内の自然を利用した築山の巨石の上に、「金仏様」と呼ばれる青銅製の地蔵菩薩坐像がある。江戸時代後期の宝暦8年(1758年)に港問屋の萱谷半十郎が寄進したもの。この地蔵は、宝暦10年(1760年)の江戸の大火に出向いて、円通寺の定紋入り高張提灯を掲げて鎮火したということで、火消地蔵とも呼ばれ、火伏せの霊験あらたかな仏とて、倉敷市の文化財に指定されている。第二次大戦の金物供出も逃れたということだ。円通寺には、他にも火難除けの神である秋葉宮があり、124日の縁日には大勢の参拝者で賑わう。玉島は人家が密集して、かつて大火で町の大半を失ったことなどから、こうした火除けの神や仏が祀られているものと思われる。

(参考)岡山の伝承:小出公大、玉島の民話・伝説:森脇正之、ザ玉島:ホームページ

 

円通寺本堂の境内から南東に下がった斜面の大岩の上に造られている。

 

正面像。仏頭より台座まで約220cmで、県下最大の青銅露座仏である。

背後から見たもの。昔は木々がもっと小さく見晴らしも良かったようだが、今は周囲に木が茂って森の中にあるようで、かえって霊験あらたかな雰囲気となっている。

円通寺の裏のやや高い位置の斜面にある秋葉宮。

玉島の歴史・民話・伝説

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