石井の馬頭観音

 

石井馬頭観音58

石井地蔵群56

岡山県鴨方町の石井の清水池の土手にある馬頭観音だ。ここには、大師堂を中心に、常夜灯、地蔵、観音、地神などの石造物がずらりと並んでいる。その左から3番目に馬頭観音が祀られている。像は頭上に馬頭の三面八臂で、憤怒の表情で作られている。これは、すべての苦悩、災難、諸悪などを粉砕破壊するという性格を表すものだ。平安時代は独尊としての信仰は少なかったが、鎌倉時代以降、馬、牛など家畜の守護や安全を祈る信仰が高まり、石仏にして路傍に祀られるようになったということだ。しかし、車社会となった今、ここ鴨方石井の地元では、馬頭観音としてではなく、荒神様として信仰されているというから、これも時代の流れというものだろう。

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