岩屋寺の不動明王

 

 

 

岡山県総社市岩屋地区の岩屋寺観音院にある。現在は寺は無住でひっそりとしているが、かつてはこのあたりは山岳仏教の一大根拠地であった。岩屋寺本堂の東側に高さ20メートルの鬼の差し上げ岩と呼ばれる巨石があり、他の岩と重なって洞口を作っている。この洞穴の奥は塞がって入れないが、桃太郎伝説に登場する鬼のモデルとされる鬼の大将・温羅の棲家になっていたとされる。その洞口右手の岩面に磨崖仏の不動明王が彫られている。像は薄く線彫りで、岩屋寺を開創した道教法師の自画像とも伝えられるが、風化の具合などから見て、ずっと後世に彫られたものと考えられている。

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