ストンポッチ

明治24年(1891年)山陽鉄道が開通し玉島駅ができたが、玉島市街地区民にとって、駅までの交通は不便だった。これを解消するため、有識者により、溜川から玉島駅に通じる水上交通が考えられた。当時としては実に画期的で斬新な計画であったが、現にある水路を拡張整備し、小蒸気船を浮かべることで実現された。水路は、玉島駅から現在のデオデオあたりを南西に向かい、横畑動物病院の前で新川に合流し、溜川に流入して玉島港町に至るものであった。ストンポッチとは、蒸気船の正式名ではなく、走航時の発生音や船形の可愛いさからくる愛称ではなかったかと思われる。

(参考)郷土風土記:宗澤節雄

 

新倉敷駅前。このあたりに船着場があったが、今はとても想像できない。

水路は駅からデオデオのあたりを南西に向っていた。今は駐車場や道路・公園になって跡形もない。

国道2号線の南の新川。玉島臨海鉄道の鉄橋跡が跨いでいるところがあった。このあたり新しい車道と古い鉄道・水路が交差して、時代の移り変わりをしみじみと実感できる。

玉島港町の終点。今は空き地となり、雑草が茂っている。昔賑わったことが嘘のよう。

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