文英様石仏

高松平野・宗治公民館・守庚申石仏

 

宗治公民館守庚申58

高松城跡公園前に宗治公民館が建てられていて、その駐車場にこの石仏が置かれている。城跡公園の地蔵仏頭延命石仏と一緒に、昭和50年の発掘調査で発見された。高松城落城後入城した花房正成の拡張工事の遺構から発見された3体の内の1つである。天文16年(1548年)の作で、守庚申石仏だ。庚申信仰は60日毎に巡ってくる庚申の日に、特別の意味を持たせて祭りを行うというものである。この風習が中国から伝えられたのは、奈良時代(8世紀後半)と言われ、長い間貴族の間だけで信仰された。特に平安貴族は、詩歌管弦の遊びを催す庚申御遊という宴を張るのが慣わしだった。これが庶民の間に広まり、全国に流行するようになったのは近世の江戸時代になってからだ。この意味で、この石仏の存在は、中世の末に既にこの地方に庚申信仰が根付いていたことを証明するものであり、大変興味深い。

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