福山八畳岩の毘沙門天と十一面観音

 

 





八畳岩は岡山県山手村西郡の福山の北の山腹にある。高さ30メートルはある巨大な岩で、山手の町からもよく見える。福山には鎌倉時代の城跡があり、1336年に新田義貞軍がここに陣を敷き、進撃してきた足利尊氏軍と戦い敗れた。福山合戦と言われるものだ。八畳岩には2つの磨崖仏が彫られ、右側に毘沙門天磨崖仏、左に十一面観音がある。毘沙門天は等身大で、後方の城を守る守護の神として、作られたものかも知れない。北に向いているため光が当たらず、顔面を中心にコケが覆い、表情など細かいところがよく分からないのが残念だ。十一面観音は60センチほどの大きさで、福山山頂までの登山道に配されている西国三十三観音の一つとして、江戸時代に彫られたものである。

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