吉備の国の磨崖仏
石田の毘沙門天 井弥穴霊場の薬師如来 |
磨崖仏とは、自然の断崖絶壁や大岩に仏像や文字などを浮き彫りや半浮き彫り、線刻などで表したものをいう。 インドや中国、朝鮮などでは、古くから洞窟に仏像が彫られた石窟寺院の形で造られている。 日本では、奈良時代からみられ、多くは平安時代後期から鎌倉時代前期(12世紀後半から13世紀半ば)にかけて造られたもので、福島・滋賀・奈良・京都・大分県などに集中する傾向がある。 岡山県の磨崖仏は、南北朝時代(14世紀半ば)以降にみられ、全国的に注目されるような古いものや巨大なものはない。初期のものは地蔵像が多く、時代が下がるにつれて観音像や毘沙門天像、さらに不動明王や役行者像へと変化している。 磨崖仏は、そこに刻み込まれた創造主の人格や考え方、願いなどが、長い年月の間のきびしい自然の風化に耐え深みを増し、さらに普遍化しつつあることを思うと、実に味わい深いものがある。また、その多くのものが、山の頂上や山腹の巨岩や崖に彫られており、雄大なロケーションや大きさ、迫力だけでも感動を受けるものが多い。最も好きな古跡であり、何回でも訪れてみたくなるものである。
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