樋之尻山の白衣観音

 

樋の尻山観音58

樋の尻山巨石56

岡山県井原市大江町に嫁いらず観音というのがある。樋之尻山観音院の愛称である。年とっても嫁の世話にならずに健康で幸せな一生を過ごすことができるご利益があるということで、近年爆発的に人気がある。奈良時代の天平9年(737年)に、僧行基が十一面観音を本尊として開基したと伝えられていて、1250年を超える歴史がある。当初は行基作の白檀木の十一面観音が祀られていたが、中世に行方不明となり、里人がこの山の大岩に白衣観音を彫って崇敬したのが、今の樋之尻観音であるという。高さ6メートル、幅8メートルの岩に観音像が浮き彫りにされており、観音院の奥の院となっている。裏山一帯には、西国三十三観音巡りもできるようになっている。本尊と同じ十一面観音は、この観音院よりさらに山上奥の大岩に、磨崖仏として彫られているのがある。以下、独り言である。どうもこの観音院の白衣観音、薄学の者にとって、弘法大師に似ているような気がしてならないのだが、いかがなものだろうか。

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