鬼の城の千手観音

 

 

 

 

岡山県総社市奥坂に鬼の城があり、全国的にも最大規模の山城跡として知られており、最近詳細な調査と復元が行われた。尾根伝いの巡回路も整備され、足下が海であったとはとても信じられないような、壮大なパノラマが楽しめる。この山城は、誰がいつどんな目的で築いたのかまったく不明で、謎の山城と言われている。築造年代は57世紀と推測されているが、地元ではおとぎ話桃太郎のモデルとされる吉備津彦命と鬼の大将・温羅の伝説で有名である。ハイキングコースを南周りに行くと、石垣が最も壮大に望める地点に巨石が積み重なっていて、その中の一つに観音像の磨崖仏が彫られている。五番と刻銘されており、ここが霊場であったと思われる。かつてこのあたりは、西の新山・岩屋地区とともに、古代仏教の一大拠点だった所で、一帯に西国三十三観音霊場が配置されていたと考えられる。

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