深山八丈岩の観音

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

岡山県高梁市街地から西方へ約3.5キロの山の山頂に巨石群があり、それらに磨崖仏が彫られている。悲しい伝説を秘めた八丈岩と呼ばれる巨石をはじめ、断崖状のものから径十数メートルもある怪石などが累々と積み重なって、神秘的な雰囲気が漂っている。これら巨石の間を縫うようにたどると、あちこちの岩面に観音像が彫られている。これらの磨崖仏は、西国三十三観音巡りを模して江戸時代後期に作られたと考えられている。全体的には千手観音が多く、丁寧なものから素朴なものまであり、風化も目立つ。山頂全体が磨崖仏だらけといった印象で、順路もはっきりしない岩の間を巡っていくと、あちらにもこちらにもといった感じで、突然目の前に現れてきて、宝探しをしているようで大変楽しい。今回16体の磨崖仏を確認できたが、一帯の荒れも激しく危険な箇所もあり、全部を発見することは出来てないものと思われる。

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