庚申山の毘沙門天

 

庚申山毘沙門天57 庚申山毘沙門天58

庚申山は岡山市新庄上にある。造山古墳から1.3キロ北に位置し、山頂一帯には無数の花崗岩の巨石が重なり合っている。その中の一つに磨崖仏の毘沙門天が彫られている。右手で鬼の片足を抱え、左手に宝塔を持って、邪鬼を踏みつけた等身大の立像で、人形を思わせる美しさで感動的だ。倉敷市山地日差山の毘沙門天と大きさも様式も似ているが、こちらの方が時代が下がり江戸時代中期の作と考えられている。庚申山は、豊臣秀吉(毛利方の吉川元春)が備中高松城水攻め(天正10年・1582年)のとき、本陣を構えたところといわれ、山上からは四方が一望のもとに見渡せ、気持ちがよい。

HOME  吉備の国古跡・史跡めぐり  磨崖仏