高瀬通し
高瀬通しは全長9.1キロ、幅5〜7メートルの運河で、下り船には備中北部の農産物が、上りには海産物が積まれていた。船には3〜4人が乗り込み、親方は船に残って棹を川底に突き立てて船を進め、小船頭と呼ばれる曳き子が、綱を肩にして両岸から引っ張った。高瀬通しの水はいつもきれいで、多くの魚がおり、川沿いの人々は朝は顔を洗い、鍋の米をとぎながら会話を楽しんだ。初夏の夕暮れには岸を蛍が飛び交い、夏には子供たちは水浴を楽しんでいた。今は幅も狭くコンクリートで固められ、魚も蛍もいなくなってしまった。土手に国境いを示すはぜの木だけが昔のまま残っている(写真上)。玉島港に近いあたりでは、埋め立てられて道路になってしまったところもある(写真下)。トップ 2 3 |